これまで、「全6回は短い」と主張してきたこのドラマ。確かに最終話はハイペースに展開していったけれど、それが逆に話を濃密にし、回想シーンを変に入れ込んで湿度を上げる余計な情感演出を排した結果になったのは個人的に嬉しかった。
深川と涼子が対峙する裁判シーンは、これでもかと云うくらい涙率が高かったけれど、意外とウザく感じなかったのは卓越した演技と共に、そういう的確なメリハリの成果でもあったと思う。
他にも、これまでクローズアップされなかった"たまを"の、バツイチ子持ちである設定が友香に接するシーンで活かされてたし、村山の「事件」をぼかしたのも、尺に納まらなかったと云うより程よい余韻効果を感じて好印象。まぁ、後藤田の守銭奴キャラは最後までピンと来なかったけれど。
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勿論、当初から突っ込んでいた様に「犯罪もの」としての完成度は正直一流とは云い難い。
真実を隠蔽したい割に、深町が涼子に「アンタは無力」と挑発的な台詞を発したり、あえて彼女を娘に会う様に仕掛けた、と話るシーンなど、いくつか矛盾と云うか違和感を覚える箇所が残ってるけど、それは彼も孫娘に罪を償わせようと深いところで考えていた故の混乱、と取るべきか。
あと、「CSI」などの科学捜査ドラマを観てる所為で、殴った傷とぶつけた傷の違いが何故判らないのか、とか突っ込みどころは多々あるけれど、実際に杜撰な捜査と云うのは存在する訳だし、仕方が無いと云う事で。
真相が見えてきてからは、子供を庇う愚かな親心に共感も同情も沸かなかったけれど、深川が過去に味わった屈辱によってその選択が生まれざるを得なかった、と云う設定は上手かった。
ただ、友香による殺人が正当防衛だった、と云うのは、深川家の正当性がやや薄れた気がして拍子抜け。中盤、取り憑かれた様に「幸せにならなきゃ」と呟くシーンから暴行などの最悪パターンが浮かんだ所為もあるけど、それだと怨恨が強くなるか。
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今回、最も印象に残ったのは、終盤に松尾が涼子へ「ずっと元検事だと思っていた」と云う台詞。涼子は「最初から弁護士だった」と返したけれど、ここは松尾の見解に同意したい。
正直、自らの過去を清算する為に弁護士を選んだ感の強い涼子は、深町事件を終えた事で初めて「弁護士になれた」と思う。だから、深町に弁護士を続ける事を語る彼女にはその辺を自覚して欲しかった気もする。
ともあれ、今期始まった「弁護士もの」では、本物、或いは力のある役者だけで構成したキャスティング、色彩設計やアングルに凝った映像など、最後まで安定したクオリティを保った今作。改めてシリーズ化を強く希望したい。
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